朗読で綴る金沢文学  日(4日目) 星組 3月30日(木)18:00  
   
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  室生犀星作 抒情小曲集より
「小景異情」
雑誌「ザンボア」(大正2年)

「ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・」
 
 
その一
小林貞子
その二
出島ひろ子
その三
平井津賀子
 
  その四
順教寺明子
その五
山本八榮子
その六
樽矢美代子
 
 
その一
砺波清江
そのニ
岡田淑子
     
       
 
室生犀星作
「蝿と蟻との話」
「蘇った蝿 〜蝿と蟻との話その二〜」
「小学男生」4-3(大正11年3月)
『室生犀星童話全集三』 (創林社刊)収録
 
       
  徳田秋聲作
「感傷的の事」
雑誌「人間」(大正10年1月)
 
 
小林貞子
「そして私の若い心はそれから強い刺戟を受けたが、どんな場合にも彼女はそれを自分の子供に感じさせるようなことはしなかつた。勿論彼女自身も、貧乏をさう愧づべきこととも苦しいこととも思つていなかつた。」
 
 
出島ひろ子
「そして幾時間かの後には汽車は喘ぐやうに高原地を登りつつあることに気がついた。山が右にも左にも、その濃い淡い幾箇もの脈を以つて私の視界に立塞がつて来た。長いあひだ平地を這つてゐたような都会生活の単調さから救はれたやうに、私はそれらの寂しい峻厳な山の姿を、何んなに懐かしく思つたか知れなかつた。」
 
 
平井津賀子
「その晩私を取囲んで、衆なは可なりおそくまで起きていた。私のために、酒や食べものが、姉夫婦によつて用意されたあつた。別にこれといふ話しもなかつた。私は十五六時代に二年ばかり住んだことのある現在の此の姉の家が、昔ながらの状態で残つているのを懐かしく思ひながらも、過去の私たちの生活に触れるのが、又何となし厭はしかつた。」
 
 
順教寺明子
「そして私も、事によつたら ―― 彼女が若しそれを希望したら、さうしても可いと思つていたが、彼女が極度に地震に怯えることや、あわただしい旅程にでも始終ゐるやうな東京生活―それには屹度彼女を煩すことになるに決まつてゐる、子供の多い家庭の騒々しく煩はしいことなどを考慮に入れない訳にはいかなかつたし、お互の気分の交錯が何んなにか此上にも私のいらいらしい頭脳を刺戟することだらうといふ気もしてゐた。」
 
 
山本八榮子
「その後も、私はちやうど其頃任地から帰つていた一つ年下の甥に呼ばれて、二三人の其他の甥や、彼等の妻や其父親などと一緒に、川料理の御馳走になつて、河鹿の啼いている川原に臨んだ二階で、多くの土地の芸者を見せられたりそれらの芸者達と一緒に町の遊郭の或家へ行つたりした。」
 
 

樽矢美代子
「はや!子たちが待っているかいね。」彼女は呟くように言った。「いいや、今が今といふ訳じゃない。」私は言つた。そして、「何んな風か知ら。暮らしの方は。義理のわるい借金でもあるやうだったら、何とかしなければならんから。」「いいや、そんなことは少しもないさかえ。兄さんの方から来るし、かよの母からも月月来るしね。あんたのところは、気まかせに、何時でもいいさかえ。御都合のいいときに・・。」そんな風に彼女は、何もかも醜いことを裏まうとしていた。

 
 
岡田淑子
「明朝は早く立つた。母はうろうろしているやうに見えた。そして私が鞄の鍵をかけていたとき、傍へ来て見ていた彼女の曇んだ目から、白雨の雫のやうな涙の大粒が、二滴ばかり落ちるのを、私は見せられた。」
 
       
  五木寛之作
「浅の川暮色」
「小説新潮」(昭和46年6月)

「あたしを本当に外の男に渡したくない?」
「ああ」
「本当に本当?」
「本当だとも」
「じゃあ、あたしを連れて逃げて」
「逃げる?」
「駆落ちするのよ、九州の博多にお友達がいるわ。一緒にそこへ逃げましょう」
「おれの勤めはどうする」
「やめてちょうだい」
「やめる?」
 
       
 


受付兼会場係の雪組くみこさん、風組よしこ、じゅんこさん。



口上の花組いくちゃん。親しみ深いトークが冴えました。
 
 



ああ忙しい忙しい・・・来年は10人体勢でがんばろ〜。



ぞくぞくとお客様のご来場!夢組たかこさんが玄関口でおもてなし・・・。
 
 


会場係の風組しげこさんと、兼任いくちゃん。空席状況の確認をしている。
   
 
   

 
     
 
 
 
星組さん、おつかれさまでした!
 
 
 
 
部員スタッフ、星組、月組のメンバー、おつかれ!
 
 
 
 
浅野川界隈で活躍する女優達。
 
 
 
 
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