朗読で綴る金沢文学  3日目 夢組 3月29日(水)18:00  
 
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室生犀星作 抒情小曲集より
「小景異情」
雑誌「ザンボア」(大正2年)


「ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・」
 
  その一
伊藤美和子
その二
長山照美
その三
北森みどり
 
 
その四
笠間芙美子
その五
中野繁子
その六
池本玲子
 
  その一
菱田純子
そのニ
福岡澄子
その六
奥田孝子
 
     
 
室生犀星作
「音楽時計」
―街裏にいたところ一つの挿話として録す―
「少女の友」14-1(大正10年1月)
『室生犀星童話全集三』 (創林社刊)収録
 
 
時はだんだんに進んで行った。
 
  徳田秋聲作
「感傷的の事」
雑誌「人間」(大正10年1月)
 
 
伊藤美和子
「それよりも昔相当な家に産れた彼女の気分が、幼いをりにはそこに何等の批判を挟む余地のないほど、私に取つて自然なものであつたにしても、母から離れ家郷から遠ざかつて、世のなかへ乗出して、人に打つかつたり、現実の生活に触れたりしてから、まるで温室のなかにでも育てていられたやうな彼女の子に対する甘さが、厭になつて来たからかも知れないのであつた。」
 
 
長山照美
「野山はどこも彼処も地肌の見えぬまでに鬱鬱たる濃緑色に深く裏まれて、窓から見おろす低い畑地や、山地の傾斜面などに、薄紫の桐の花が今を盛りと咲いていた。寂れた古駅や村里が、樹木の荒い茂りの中に埋れて明い日の光を浴びながら、武蔵野らしい暗鬱さで私の目を掠めて過ぎたりした。」
 
 
北森みどり
「最初学校を厭がつた私を引抱へて、深い井戸の側へつれて行つて、前後にたつた一度そつと私を脅かしたときの、慈愛に充ちた目を覚えてゐる彼女や、何も仕出来したこともなくて、最初に帰省したとき、余り悦んだ色を見せなかつた十一年前の彼女の、まだ何処かに肉づきの豊かさや、目に張りのあつた表情は、どこにも影を止めていなかつた。私は靴をぬぎながらそれを一目に見たのであつた。」
 
 
笠間芙美子
 彼女はまだ見ぬ子供のことを善く訊いたが、それだと言つて、彼等を見に東京へ行かうとも言出さなかつたし、今度其の一人をも連れてこなかつたのを、不足に思ふらしい風もなかつた。私は家を出るとき、妻に繰返し言はれた。「おかよさんも一緒でいいから、御母さんをつれて来て下さいよ。」
 
 
中野繁子
「手ぶらで可い、偶あにでも来てもらへば、それが何よりや。私は古い古いもので沢山。そんな心配すると、また五年も十年も来られんことになるさかえ。」
 
 
池本玲子
「現在の彼女から見れば、私は最早彼女の愛する子供ではなかつた。むしろ私の妻の所有であつた。子供たちの父親であつた。そして何処か気のおける、一つの憚らるべき人格であつた。」
 
 
菱田純子
「私は娘の光子が、ちやうど初段を取った頃だったので、お節ちゃんに琴を一曲望んだ。勿論それは夫婦の得意とするところだったに違ひなかつた。私は二つばかり聴いた。そして其の日は、母とは話も碌碌しないで帰つたのであつた。」
 
 
福岡澄子
「今度はもつと近いうちにまたやつて来るけれど、何時までいても為様がないから、一両日うちに帰らうと思つて。」私は言つた。彼女は別に何とも答へなかつた。耳が疎くなつているので、私の言葉が解りかねるのであつた。「をぢさん、もう東京へお帰りやと。」おかよが笑ひながら言つた。「東京へ!」彼女はびくりとしたやうな風であつた。どんなに其が彼女の寂しい心を失望させたか。」
 
 
奥田孝子
「何だかよちよちしたもんだ。眼鏡だけは用意した方がいい。でないと、自転車に弾飛ばされてしまひますよ。」「まだそんな事はないぞね。」彼女は主張した。「針こそもてないけれど、道を歩くのに不自由するやうなことは、些つともないのや。」姉は傍で笑つていた。
 
       
  五木寛之作
「浅の川暮色」
「小説新潮」(昭和46年6月)

 森口が最初にみつを少女としてでなく、女として意識したのは、その年が過ぎて、豪雪で街中が立往生した二月の頃だった。早崎の強引なさそいで久しぶりに <しのぶ> へ顔を出した森口は、手洗いに立つふりをして席を中座し、二階の陰になっている物干場の暗がりで、みつとはじめて唇を合わせたのである。
「おねえさんに叱られる ―― 」
 
       
 


受付係の雪組くみこさん、風組のぶこさん。外気が入り寒い持ち場で頑張りました。黒子の風組じゅんこさんも頑張ったよん。


この日の口上は虹組ともこさん。涼しげな語り口調でごあんな〜い!
 
 

会場係の雪組みえこさん。このあと、お客様がどどどっとおしかけてくるのであった・・・。


受付と玄関係の風組きよこさん。「スリッパをどうぞ〜。」
 
 


なんと素晴しい・・・お手を添えて誘導する星組としこさん。


「ありがとうございましたぁ!」お客様を見送る夢組オールスターズ。
 
 
ご来場ありがとうございました。またのお越しをお待ちします!
玄関が狭く、下駄箱も窮屈・・・改善策を考えなければ。


鏡花劇場代表、松田章一。紀伊国屋サザンシアターでの「島清、世に敗れたり」(松田章一作)は感動!
 
 
古くから鏡花劇場がお世話になっている菊野さん。現在の青いパイプ椅子20脚を頂いた方です。更に、更に、25脚茶色のパイプ椅子を頂戴しました!立ち見のお客が出ず無事公演を行うことが出来たのも菊野さんのお陰様です。感謝、感謝、感謝。  
       

 
 
 
 
 
 
夢組さん、部員スタッフ、音楽時計のちえこさん、松田先生、おつかれさまでした!
 
 
 
 
おお〜い、みどりはどこいった〜!
 
     
 
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