1961年4月12日、旧ソビエト連邦で人類初の有人宇宙船の打ち上げが成功した。軌道を回る宇宙船ヴォストーク1号船内から見る地球の美しさに、宇宙飛行士ユ−リ・ガガ−リンは「地球は青かった」と言った。あれから40年、美しい地球は民族闘争や戦争や核実験を耐え抜き、今温暖化と闘っている。この地球に住む、いや住まわせて頂いている私達は、大気汚染物質の排出削減とエネルギー消費節約に努め、地球を美しく保って行かなければならない。

 「朗読が静かなブーム」と言われるようになったのは今から4、5年前だろうか。俳優、著名人による朗読テープやCDの売れ行きも伸び出した。テレビやラジオが無い縄文時代には、豊作を祈り祈祷師が天に祈りを捧げ、巫女が舞い、雨乞いの儀式が行われた。やがて祈祷師と巫女の舞は、宗教、能、狂言、歌舞伎、寺社芝居へと変化して、戦後高度経済成長の中を脈々と生き現代に至っている。

 私達が生きる現代には、現代舞踊、現代演劇、現代アートなど、現代○○で表現される創造芸術が溢れている。物が溢れメディアからは情報が溢れ、雨乞いをテーマに踊ったり演じたりする必要も無くなり、お金さえあれば手に入らないものは無い時代となった。国力は強化され経済大国、先進国として日本はその名を世界に轟かすようにもなった。先人が生きた激動の時代は遥か彼方に消えて行き、戦争を知らない現代人が溢れ、平和な日本に育った新人類が次世代を担って行く。そして今、日本社会を支えてきた団塊の世代が第一線を後進に譲る時期を迎えている。そんな時流の中、朗読小屋 浅野川倶楽部は誕生した。

 岡本太郎氏が「芸術は爆発だぁ!」と叫んだ。今私は「朗読は爆発だぁ!」と叫びたい。朗読小屋に集まる方々は、日常とは異なる女優の顔を持ち、朗読小屋のステージで輝いている。稽古場では、互いの接触箇所を修正、強化して、お互いの感性をスパークさせて魅力的な創作活動を続けている。あの時は楽しかった、辛かった、涙した、燃えたと、彗星の如く駆け抜けた皆さんとの夢中の日々は、小惑星となって私の頭の周りをグルグルと回っています。皆さんに囲まれ、励まされ、愛され、朗読小屋は無事満3才を迎えることが出来ました。この場をお借り致しまして熱く御礼申し上げます。

 厳しい稽古を乗り越え、公演の日を迎えられた皆さんに心からエールを送ります。がんばれ!私達はこれからも宇宙飛行士のように遠くから皆さんを見守っています。宇宙飛行士ユ−リ・ガガ−リンは「地球は青かった」と言ったそうですが、正しくは「地球は青いヴェールをまとった花嫁のようだった」と言ったそうです・・・。

 
     
 
平成20年4月

朗読小屋 浅野川倶楽部
高輪眞知子
表川なおき
 
 
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TEL 076(261)0837 / FAX 076(261)8999 E-mail Asanogawa@club.email.ne.jp

制作 表川なおき
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