ごあいさつ |
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この20数年でたまりにたまった劇団の道具置き場にしようと借りたこの空間。当時、天井の一部からは青空が見えていました。早速、週末毎に部員の皆と手弁当で大変革、大改造をして金沢職人大学校の皆さんからも御支援をいただき朗読小屋が誕生いたしました。あれからもう5年が経ちました。今年の春公演も、やさしく見守って下さった沢山の方々のお陰で無事に幕を開けることができました。心より感謝申し上げます。私はといえば、演劇なるもの右も左も分からぬまま、はや40数年が経ちました。組織の代表や演出家に演劇のイロハを学び女優生活に浸っていましたが、この5年はまさしく私にとって試練の日々でした。沢山の人達との触れ合いは初めての経験でした。若輩の私が皆さんに納得していただけるような指導や誘いが出来たかしらと反省の毎日でした。 しかし私の心配に反して浅野川倶楽部部員の皆さんの活躍ぶりは凄いものでした。5年前に私が抱いた夢をはるかに通り越して、現在「移動劇場〜朗読と紙芝居〜」の公演回数は115公演を迎え、年2回の定期公演も開催できるようになりました。「本当に良かったあ。ああ、私の役目は終わったなあ。」なんて今も心の中で飛び上がっています。ここに集まる皆さんの文学への熱い想い、朗読へのチャレンジ精神、また作家、作品への強い探求心があったればこそと思います。これからも皆さんのご要望がある限り、より深い作品探求と朗読者・語り手として成長できるよう共に頑張って行きたいと思っています。伝統芸能の盛んな金沢では「空から謡が降ってくる」と言われたように、朗読による言の葉があちこちから流れて来たらどんなに素敵なことでしょう。朗読を続けて行きたい方にお願いです。ご自分の有り様を信じてオンリーワンを目指してください。誰にも真似のできないあなたらしい、人間味のあふれた、おごりのない謙虚な朗読の世界を目指してください。そうすれば必ず聞く方々は感動されると思います。 本日この公演にお越しいただきました皆さま、この5年間、朗読小屋浅野川倶楽部へたくさんのご厚情を賜り誠にありがとうございました。ゆっくりご鑑賞いただき、心優しい拍手をいただければ幸いでございます。 |
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平成22年3月吉日 代表 高輪眞知子 |