再び防音・塗装工事  
 

2006年1月3日〜2月3日

 
 

ナオジェクト  〜日本家屋再生に挑む男と女&腰痛乙女奮闘記〜

 
  厳冬の季節を雪かきに追われ過ごす金沢人。しかし今年は、大雪に見舞われた年末より2週間後には、春のうららかさを感じさせるような朗らかな天気に見舞われた。道行く人々の頬には赤くほてった快活さと微笑が見られた。
昨年4月、金沢浅野川界隈に朗読小屋 浅野川倶楽部が誕生した。設立当初はある小さな劇団の稽古場として使用されていたが、県民市民を対象とした朗読講座開講が反響を呼び、今や飛ぶ鳥も落とす勢いで急激に成長を続けている。朗読講座受講者であり倶楽部員である彼らは、稽古場である古小屋再生の為、自主努力という方針の下ささやかな古小屋修繕計画を立て、日夜情熱を燃やしているのであった。
この記録は、のちに涙なくして語れない珠玉の物語となるであろう・・・。(田口ナオロオ)
 
     
     
 
1.3(火)
昨年5月に金沢職人大学校の方々に防音工事をして頂きました大通り側の窓。窓から透けて見える石膏ボードの色が外壁と似ているので、障子柄に変えようと思い立つ。施工前の状態を雪かきの合間に写真撮影する。天気悪くて分かりにくいけど・・・。
 
  1.6(金)〜1.9(月)
では、気合を入れてやってみます。どれだけ防音できるかやってみないと分からない。ああ、防音。これが最大の悩みなのだ。
 
 
よっしゃ!・・・文学的に言い換えると「よしや!」と、せっかく職大の、西村さん、越島さん、のむさんに取り付けて頂いた窓防音壁をはずしまくる!「いえ〜い、はずしちっゃた」微笑みつつかく男は言い捨てて取り組みたり。  
  なんか、一年前思い出すよな〜。ここの小屋借りたのは昨年の3月だったかな?電気通っていなかったから、真っ暗な稽古場の窓からもれる街灯明かりで、出前公演の備品修理したり、園遊会に合わせて、小屋の飾りや、ちょうちん作ったりしてた。腹へって、のり弁ばかり食べてたな〜と何かしみじみするわ。悩んだ末にばーんっと仕事やめて精神的にも弱かった時期だった。
 
 

日焼けで窓枠の跡がくっきりついていた。
おっと、このままではセンチメンタルストーリーになっちゃうから、気をとりなおしてと。  
  はずした防壁の石膏ボード面へ等間隔にマスキングテープを貼る。そしてその上から塗装する。仕上がりは、近くで見ると絵画だけど、地上から見上げるとまるで障子がはまっているように見える。でもね〜、やっぱ素人アイディアなもので、日本家屋の様式として、この障子のデザインは、日本の様式に沿っているかどうか疑問のままである。日本の様式美を勉強

 
 
これは、断熱材と遮音シート「サンダム※1」です。職人の技を盗み見することができ幸せです。

※1 「ガンダム」じゃないよ。
 
       
 
 
 
分かりにくいビフォー
そしてアフター
 
       
       
 
       
 
1.10(火)〜1.13(金)
と、言うわけで内側に戻ります。えっと右の写真は、職人の技の上に下地のヌキ(木材名称)を打ち込んだ状態です。車の騒音を防ぐために、これでもかこれでもかと石膏ボード(12.5mm)を貼るのだ。
 
 
鴨居上はヌキとヌキの間にいらなくなったボードの切れ端を埋め込んで、とりあえず下地木材を頼りに、石膏ボードをとりあえず二重に貼り付けた。あとで三重(12.5mm×3)にした。  
       
 

窓枠と窓枠の間のこの部分も二重貼りにしたよ。

やっぱり貼る前と後では音の響きが違う。
 
       
 
この鴨居の上っちゅうのが、窓枠の三倍四倍うるさいんだな。耳付けるとすぐ分かるよ。みんなもやってみ〜。ここは三重(12.5mm×3)。



この写真は敷居上の部分。ここもボード切れ端カットして二重にうめこんだ。
 
       
 

1.14(土)
「ザ・気休め」かも知れんけど、吸震効果を狙って新聞紙を貼ってみました。途中で新聞が無くなり、たばこ組まちこさんが、ご近所(東山房・禁煙室・岡薬局・佃の佃煮・和菓子はやし)さんからもらっき来てくれました。


新聞貼って、その上からまた石膏ボード。ささやかなホリゾント(白地の面を照明で染めるためのもの)になればいいけど・・・↓

 
  こちらは花組ひろこさん。翌日来れないからって「おしるこ」作って来てくれて、ご相伴にあずかった部員はのべ20名くらいだ。新聞紙二枚重ねしたり、切り貼りをやってくれたよ〜。
 
 

ためしにやってみた新聞紙貼りも、きれいに貼り付けると何だか効果ありそうな気がしてきたので、鴨居の上も貼っちゃいました。ああ〜防音防音。吸震吸震。
今度みんなで宝くじ買おうぜ〜。当たったらもちろん山分けだけど、僕は倶楽部のために、みんなのために、世のため人のために役立てたい、小屋につぎ込みたいとおもっとる。と言いながら僕は船を買いたいと思っています。

 
       
       
       
 
1.15(日)午前
昨日の金沢倶楽部取材のため設営した舞台と照明器材を片付けていると、11時頃「おはよ〜」と風組かよさんがやってくる。続いて星組やえこさんも。出足の早さに感激しつつ、早速やっぞ〜っ!以前みんなの更衣室だったところが現在は物置になってて、ご迷惑お掛けしておりましたので、下の禁煙室隣りの倉庫を安価でお借りして、荷物を搬入したのだ。でもね、まだ更衣室は物置のままなので(*_*)
 
  照明機材を吊るために、時代を感じる土壁も壊すことにしたのだ。ごめんよ。
 
 
頭にタオルを巻いて、マスクして、ハンマーで解体。スッゲーほこりじゃった。真っ白だ。本棚の本たち汚れてるかも知れん。だいたい、僕って人は物を作るとか壊すことは得意なんだけど、それに伴う後片付けや掃除ってものに関心が無いという無責任なところがある。いかんいかんと思いながら、毎日ちらかし兄ちゃんしとる。  
  砕けた土壁くんたち・・・。ほこりのおかげで小屋の中は・・・ご想像にお任せします。
 
 
「いや〜ほこりっぽいわ〜」と嘆く僕などには目もくれず、粋な姉ちゃんたちは「ええいっ、やったるで〜」と意気揚々・・・ふしぎ。

左から、かよ、まち、やえこ
 
 
「はい、できましたぁ」喜びの声は、たちまち歎声に・・・実は土壁とったら、石膏ボードで防音された屋根に隙間が出来て騒音が入ってきたのだ。補強して音を食い止めないといかん。
 
 
 
   
       
 
       
 
1.15(日)午後
「へい、いらっしゃいっ!みんなでおしるこ食べよ!」と、作業の前に腹ごしらえ。かよさん手製のいなり寿司と一緒にぱくぱく・・・。
 
  ひろこさんの「おしるこ」のばして、餅焼いて入れて食べて、近々の稽古衆も食べたぞい。ごちそうさまでしたm(__)m
 
 
やっぱ手作りっていいね。
気持ちがこもってる。
禁煙室の看板おおぞ〜。
あの看板和風にしたろかな〜。
 
       
       
 
       
 
1.15(日)
「お〜いなおちゃん、何すればいいんやぁ!」粋な姉ちゃん達の掛け声に「は〜い、お願いしま〜す」と、とりあえず劇場で言うプロセニアムアーチを塗ってもらうことにしたのだ。5人がかりでぺたぺたぽたぽた頑張って
 
 
としこ、あきこさん(星)、きみさん(虹)
   
 
 
 
やえこさん(星)
かよさん(風)
 
 
 
 
しげさん(雪)、としこさん(星)
黒々黒々
 
  は〜い、下駄箱どけて障子はずしたら、こんな感じで〜す。ここは隣の駐車場の音を防ぐことと、下の川音を防ぐため、防音しちゃいます。と言っても石膏ボード2枚(12mm×2)貼るだけやけど。でね、ここにも外からの見栄えを考えてボードに障子柄を塗装したいと思います。
 
 
えい、やー、木を切って、ビスで打ち付けて、イソイソとやりました。木を切る音が下に響いたようでマスターがぼやいとったらしい。  
       
 
 
 
ボード貼るための木枠を作りました。
こっちはそんな隙間なかった。
 
 
「お〜い、なおちゃん、終わったぞ〜!」とにかくみんなでやってるから早い早い。と言うわけで、ホリゾントみたいに真っ白に塗ってもらいました。
「むらなくきれいにね!」
「わかっとるわいっ!」
「ぎゃぁ」
 
       
 
 
 
としこ・あきこ(星)・かよ(風)・つがこ(星)稽古以上に真剣な表情?
 
 
 
 
光が当たっていい発色しとるわ〜。うんプチホリゾント完成じゃ。
 
 
それはさておき、つぎつぎと
さきへさきへ段取りして行かないと
追いつかないから
この特撮写真のように
本気で走り回ったぞい
みんながいると気合が入るわ
 
 
←きみさん(虹)雑巾絞ってます。
 
  お次は、石膏ボードの障子柄を作ったりしました。等間隔にマスキングテープ貼って、その上から塗装し、テープはがして乾燥させる。
 
 
おお〜お見事。きれいな仕上がり。みんな稽古の日はじっくり見てちょ。うどん「くら」さんの駐車側の窓に映る障子柄は、上の写真のメンバー(左から、きみ・かよ・しげ・あき・とし・つが・さち)のデザインで〜す。  
 
特製障子柄ボードをはめ込む。
やっほー!
 
 
 
 
 
 
施工前
施工後
 
 
 
 
施工前
施工後
 
 
 
       
       
 
       
 
男勝りのまちこさん。怖い怖いと言いながら、しっかりと働いてくださいました。その他、としこさん(星)、あけさん(月)も高所ペンキ塗りやってくれました。  
 
梁の色はチョコレート色です。はじめちょっと赤いかなと思ったんだけど・・・まあいいかな。


歌って登れる芸人しげさん。高いところはまかせなさい!
 
 
完成。  
       
 
 
 
20時くらいだったかな
ぐったり笑顔
 
   
 
       
 
       
  1.16(月)休養
1.17(火)〜2.3(金)
 鴨居上の防音仕上げ
 屋根裏面吸音材貼り付け
 側面防音
 
 

防音健康快適天井材
コンサートボーダー
(9×303×606)18枚入りを計8箱
5万8千円也

防音健康・・・?
ご時勢なんだろ〜ね。健康で快適な心地を与える吸収天井材じゃあ。

 
  一応そのまま貼ってみた。
しかしダンプの音が
「ぶぶぶぶぶぶぶっ!」
冷酷に響き渡る。
いちいち逡巡しとるわ。
 
 
↑まだ隙間あるもんで埋めてみるわぁ。カッターで切って貼って切手貼って。

「だだだだだだだっ!」
今度はバスの音だわ。
 
  う〜ん不揃いじゃ。素人の手というものはこんなものなのだと卑屈になりながら、涙をこらえて写真撮影・・・いいさいいさ(T_T)
 
       
 
 
 
↑柱塗り時はみ出した部分を黒縁風に塗り替える。
 
 
 
 

↑気休めなんだけど、新聞貼って吸震する。その上に石膏ボード二重(9mと12m)

 
 

もう・・・泣きそうや。さあ明日は、側面と天井を塗装たい。そういえば、シンクの取付工事で、福田の父ちゃんくるんやったな。
もう帰ろ。

 
 
   

 
         
 

編集直記

いや〜みんな、おつかれ〜。大変だったけど何とか塗れたね。左写真部分はまだ塗るか否か検討中だけど、塗ることになりそうです。そんときはまたヨロシク。
ああ〜悩んでばかりでは先に進まない。最高5重に石膏ボード重ね貼りして、これでもかこれでもかと意地になってやったとたい。もうねえ、うるさくてうるさくて。吹き抜けにしたらかっこいいんやけど、屋根からじかに車の音と振動が伝わってくるたい。最近やっと五木寛之著「青春の門」筑豊編を読んだとたい。実は俺も九州男児だったんだ、小学校2年生まで。九州男児は無骨だけどはっきりものを言うそうだ。かつては僕も九州男児。今は浅野川男児。何だか今日は愚痴っぽいたい。いや弱音を吐きすぎたい。でもさ〜やってもやっても理想どおりにいかないもんじゃから辛いばい。

 
       





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制作 表川なおき
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