藩政時代、石川県金沢市を流れる浅野川河原には多くの芝居小屋が建ち並んでいました。経済の中心地として栄えた尾張町にも多くの寄席や芝居小屋が活気づき、浅野川界隈はお祭りに見るような祝祭空間を作り出し、芝居小屋を取り巻く劇場文化は地域経済と密接な関係を築いていました。しかし大衆の生活に溶け込んでいた古き良き劇場文化は、日本の近代化、メディアの普及によって衰退して行きました。 この事実をふまえ、私たちはかつて劇場文化が盛んであった尾張町に常設の朗読小屋を開設致しました。朗読小屋では北陸の県民市民参加型の朗読講座を開講し朗読者の育成や公演活動を行い、地域特有の文化財産である文学の魅力を広く紹介すると共に、地域劇場文化再構築のために活動を行って参ります。
平成十七年四月一日 発起人 高輪眞知子 表川なおき