2006夏・夢がたり十八夜    
   
十五夜 8月20日(日)14:00
 
       
       
 
濱口國雄作 「犯罪人」

瀧澤ひろ子
 
 
濱口國雄作 「飢」

瀧澤ひろ子
 
 
徳沢愛子作
「かたいもんにならにゃ」


平井津賀子
 
 
徳沢愛子作 「福寿草なら」

福岡澄子
 
 
安田桂子作 「夢の外に」

菊川豊子
 
 
寺本まち子作
「枇杷の葉の下」


池川光子
 
 
井崎外枝子作 「ほたる」

橋野千恵子
 
 
吉田さかな作
「雨の夜の物語」


順教寺明子
 
 
三島由紀夫作
近代能楽集の内 「葵上」

菊川豊子/志牟田敬子/高輪眞知子
表川なおき/
 
 
 
 
 
       
 
       
 
 
 
弁士おじゅん
は〜いどうぞ〜
 
 
 
 
へい、らっしゃい!
ふわ〜っと
 
 
裏方がだんだん
板についてきたのでは
たのもしいたのもしい
 
       

 
 
 
 
 
 
おつかれっ
 
 
 
 
パワフルだ
 
 
 
 
 
 
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  「人間失脚」 〜太宰が告げるNの肖像〜  
 
第15の手記
 
 
十五夜と言えばお月様である。しかし公演は昼である。その辺の矛盾に気付かずにいる部員はいないと思うが、稀に「あっそういえば可笑しいわね」とセレブ的発言をする部員がいるかも知れない。

十五夜では上演中に気分が悪くなり、客席後部で休息を取られるお客様があった。原因は幕開けの雰囲気に恐怖した為だとそのお客様は言う。夢がたり十八夜の舞台演出がお客様の健康を害することになるとは・・・謹んでお詫び申し上げます。舞台は厳しい世界である。舞台は浮き沈みの激しい世界である。小劇場の風格を備えた朗読小屋ではさまざまな外音が乱入してきて、どんなハプニング音がいつ起きるかも判らない。だからこそ動じない鉄の心臓を持たなければならない。

舞台の成功を目指し奮闘すればそれなりの結果を残すことが出来る。しかし二割三割の「悔い」は必ず残るものなのだ。逆説を述べると、「悔い」を残さなかった舞台ほど記憶に残らず自身の血肉にもならないということが言えるであろう。コンプレックスや劣等感の強い人間ほど爆発的なエネルギーを持っている。「時重組」というネーミングはブーイングの嵐に遭ったが、時重組には喜怒哀楽の深い地層があり、掘り起こせば情熱のマグマが噴き出す。今こそ「朗読は第二の人生」というカルチャーセンター意識を改革し、人生の集大成として「女優」を目指すべきであり、素質は充分過ぎるほどあるのだ。ただそれを自覚出来るかどうかなのだ
とNは力説する。

精神論を語れば新手のカルト教団と勘違いされるかも知れない。皆の真剣な顔、潤んだ瞳で見詰められると教団の教祖になったような不思議な感覚に襲われることがある。これ程までに真剣に打ち込む「舞台」にはどんな魅力が隠されているのだろう。苦しみは女優の血肉となるのだ。Nは不敵な笑みを浮かべていた。その眼光には演出家としての情熱が過剰なまでに感じられた。
 
 
 



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制作 表川なおき

 

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