四夜観客十数名。予期してはいたものの三夜に続き二日目は観客動員数激減。この日は報道各社で取り上げて頂いた記事や情報を流して頂いたので動員数倍増を期待していた。しかし現実は厳しい。制作サイドには雲行き妖しい雰囲気が漂う。このまま毎回十数名の公演が続いたら完全に赤字だ。Nは混沌たる状況を打開すべく再度部員へ宣伝協力を申し出た。広報活動とは難しいものだと改めて痛感した四夜であった。Nはチケット料金が安かったかなと欲たましい気持ちを抑えて開演時間を待った。

ハプニングは少々あったが四夜は成功した。失敗というのがどんな状態なのか想像するだけでも背筋が凍る想いがするのだが。この日は花火大会が犀川で行われていたらしく、７時半すぎから開催予告の打ち上げ音が始まり、ちょうど葵上上演時に1、2分間バンバンッと会場内に音が響き、Nは内心迷惑だなあとふてくされながら、花火に負けない大芝居をしたのだった。