2006夏・夢がたり十八夜    
   
八夜 8月5日(土)14:00
 
       
       
 
濱口國雄作 「犯罪人」

瀧澤ひろ子
 
 
濱口國雄作 「飢」

瀧澤ひろ子
 
 
徳沢愛子作
「かたいもんにならにゃ」


大谷万咲子
 
 
徳沢愛子作 「福寿草なら」

平井津賀子
 
 
安田桂子作 「夢の外に」

山下幸子
 
 
寺本まち子作
「枇杷の葉の下」


大谷万咲子
 
 
井崎外枝子作 「ほたる」

小林貞子
 
 
吉田さかな作
「雨の夜の物語」


生田蕗子
 
 
三島由紀夫作
近代能楽集の内 「葵上」

山下幸子/志牟田敬子/高輪眞知子
表川なおき/寺田孝枝
 
 
 
       
       
 
       
 
 
 
携帯お切りくださ〜い
やえこ姉
 
 
 
 
ディレクターKさん
いらっしゃ〜い
 
 
 

 
 
 
 
 
おお、ミステリアス
 
おつかれ〜
 
 
 
 
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「人間失脚」 〜太宰が告げるNの肖像〜

 
 
第8の手記
 
 
持病の偏頭痛と舞台進行に頭が痛い。痛みで歪んだ表情をしているNは、小屋入りした出演者の顔を見て優しい声を掛けようか掛けまいか、いろいろ思案した上で最終的に声を掛けないことにした。甘やかさないことが一番なのだ。事実一人舞台を務める責任を負った出演者の顔付きは、出演前の俳優のそれと変わりはない。やることは皆分かっている。だからあとはやるだけなのだ。全身全霊をかけて取り組むのだ。舞台とは命を削って戦う戦場だ。だから舞台を重ねるごとに神経が擦り減っていくのだ。Nにとって公演期間はノイローゼ期間と言ってもいい。マネキンのように顔が小さくなった。

八夜は葵上だ。好調を維持できるかと思いきやNは集中力を欠き不完全燃焼であった。役者だったはずなのに、この落ちぶれようは何だとNは項垂れた。制御できない平常心。裏方と役者の両立は不可能である。Nは自身の不出来の責任を他へなすりつけて自暴自棄になった。常日頃悩まされている救急車のサイレン音が不気味なことに一度もない。六条康子の生霊が銀色の大型車に乗ってやって来るように、サイレンよ来い!未熟な私を破壊してくれ。
 
 
 





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制作 表川なおき
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