2006夏・夢がたり十八夜 | |||||||
二夜 7月28日(金)19:00 |
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砂川公子作 「かぐや姫の里帰り」 高輪眞知子 |
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濱口國雄作
「犯罪人」 菱田純子 |
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濱口國雄作
「飢」 岡本正樹 |
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徳沢愛子作
「かたいもんにならにゃ」 伊藤憲子 |
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徳沢愛子作
「福寿草なら」 池本玲子 |
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安田桂子作
「夢の外に」 奥田孝子 |
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寺本まち子作 「枇杷の葉の下」 菱田純子 |
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井崎外枝子作
「ほたる」 笠間芙美子 |
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吉田さかな作 「雨の夜の物語」 岡本正樹 |
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徳田秋聲作
「白い女」 舘 範子 |
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夢がたり十八夜 夜の部外観 |
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あでやかあでやか |
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ほっと一息 |
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「人間失脚」 〜太宰が告げるNの肖像〜 | ||
第2の手記 |
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初日の第一夜を終え、報道各社の取材陣へ公演情報掲載を猛アピールし鼻息を荒くして一息つくと、すでに二夜の集合時間となっていた。未熟なNは舞台の厳しさを痛感しながら集合の合図を告げた。厳しいからと言って苦行への見返りはゼロに等しい。集合時間より30分遅れて着替えを済ませた部員が集合した。Nはリハーサル時間がことごとく削られていくことに爆発間近の感情をぐっと堪えていた。こんなことで十八夜は乗り切ることは出来ない。時間厳守。夜中に連絡網を回して、集合時間前に衣装を来て準備をしておくよう徹底する。今、朗読小屋
浅野川倶楽部は素人からアマチュアに成長しようとしている。規律を重んじることは、古来の日本人の心だ。人数が多い程、規律を厳しくしないとまとまらないのだ。一人一人が勝手な言動をしていたのでは烏合の衆でしかない。群をまとめるのは心や精神論という非現実的なものではなく軍隊並の規律である。場あたりを急ピッチで進め、白い女のリハーサルを大幅にカットせねばならなくなり、個人にとって貴重なリハーサル時間を不公平な形で行う事となった。規律が無いということは致命的である。開演一時間前のスタッフ打合せ時間までにリハを終わらせなければならない。Nは切迫した心持ちで暗転の合図を出した。 幸運なことに上演中に救急車が通らない。バイクの排気音もない。バスのクラクション音がした。初日の二夜目ということで観客数も減り、一夜目のパニック感もおさまり葵上の役者責務を終えたNは舞台技術に専念した。途中入場された御目の不自由な方をスタッフが誘導している。Nは打ち合わせ通りスタッフが動いていたことに胸を撫で下ろした。夜も更けて報道合戦を終えた初日の一夜二夜は風と共に去りぬ。明日はそろそろハプニングがありそうな気がする。 |
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